ハードロックフィッシュに最適なのはどっち?フロロカーボンとPEラインのメリット・デメリットと使い分ける方法

ハードロックフィッシュに最適なのはどっち?フロロカーボンとPEラインのメリット・デメリットと使い分ける方法

ロックフィッシュゲームについてよく議論されるのが、ベイトタックルとスピニングタックルどちらが最も適しているのか?です。

そして、それと同じぐらい議題に上がるのが、ラインについてです。

根を攻めるロックフィッシュゲームでPEラインは論外だと語る人。

フロロカーボンよりPEラインの方がメリットが多くあると語る人。

恐らくこのテーマは、よほどのことがない限り一生解決することはない。と思えてしまうぐらい、それぞれ全く間違いがなく、一長一短なのです。

では、結局のところ、どの種類のラインがロックフィッシュゲームで最も適したラインなのでしょうか?

あくまでも個人的な見解ですが、ご紹介したいと思います。

ちなみに、私の場合は、スピニングタックルはPEラインのみ、ベイトタックルはPEライン9割:フロロカーボン1割の割合で使用しています。

大事なことなので二回言いますが、あくまでも個人的な見解です。

目次

市販されている代表的な3種類のラインはナイロン・フロロカーボン・PEライン


※出典:サンライン

魚種を問わず、釣りに使うライン(釣り糸)と言えば、ナイロンラインフロロカーボンライン・PEラインの3種類です。

他にも少し変わった素材を使用したラインもありますが、淡水・海水、ルアー釣り・エサ釣り問わず、多くの釣り人が使用しているのは、この3種類のラインだと思います。

なんで、わざわざ違う素材のラインがあり、使い分けられているのかというと、狙っている魚種や使用するルアーなどで、それぞれ適した素材があるからなのです。

しかし、どんな釣り方や魚種にも対応できるほどの万能なラインは今のところ存在せず、それぞれの素材のラインには、メリット・デメリットとなる特性があります。

ナイロンラインはしなやかで伸びやすく誰にでも扱える安いラインだがロックフィッシュにはあまり向かない

釣具屋で売っている初心者セットやサビキ釣りセットなどにあらかじめ付けられているラインはナイロンラインです。

ナイロンラインは、とてもしなやかで扱いやすく、キャストする場合もトラブルが少なく、しかも非常に安価で売られているため、初心者の方に最も適したラインです。

また、伸びやすい素材で水に沈みにくく、少し感度が悪いという特性もあります。

ロックフィッシュゲームから見たナイロンラインのメリット・デメリット

  • 誰でも扱いやすい ○
  • 値段が安い(1000円前後) ○
  • とても伸びやすい ×
  • 頻繁に交換にしなくてはいけない ×
  • 水に沈みにくい ×
  • 少し感度が悪い ×

フロロカーボンラインは水に沈みやすく根ズレに強いのでボトムの釣り=ロックフィッシュに適している

フロロカーボンラインは、バス釣りで最も多用されているラインで、吸水率も低く耐久性が高めなので、ナイロンラインほど頻繁に交換しなくても大丈夫です。

少し硬めの素材なので、太いラインを使用するとリールに馴染みづらく、やや扱いにくい面もあります。

海釣りで使用している人は非常に少なく敬遠されがち(PEラインに分がある)なラインですが、水に沈みやすく根ズレに強いため、同じ海釣りでもボトムの釣りであるロックフィッシュゲームに限っては、非常に適しており多用されているラインなのです。

ロックフィッシュゲームから見たフロロカーボンラインのメリット・デメリット

  • 扱いやすさ普通 △
  • 値段は中間ぐらい(1500円〜2000円ぐらい) △
  • 少し伸びやすい △
  • 交換頻度は普通 △
  • 水に沈みやすい
  • 感度がやや良い △
  • 根ズレに強い ◎

PEラインは引っ張りに耐える強度がとても強く感度も抜群だが水に沈みにくい上に根ズレにとても弱い

海釣りで使用されているラインと言えば、そのほとんどがPEラインです。

引っ張りの強度・感度・遠投性の高さが3種のラインの中でずば抜けており、海釣りで代表的なシーバス・エギング・ジギングなどでは、PEライン以外考えられないと言っても過言ではないほど、最も使用されているラインなのです。

しかし、ロックフィッシュゲームに限ってはそうとも言えず、PEラインの最大の弱点である根ズレの弱さと水に沈みにくいというデメリットがあるため、敬遠する人が多いのも特徴の一つです。

ロックフィッシュゲームから見たPEラインのメリット・デメリット

  • 初心者には扱いにくい ×
  • 値段が高い(2000円〜3000円ぐらい) ×
  • ほとんど伸びない 
  • 交換頻度が低い(長持ち) ◎
  • 水に沈みにくい ×
  • ラインを張れば感度抜群 ◎
  • 根ズレに非常に弱い ×
  • 遠投性に優れている

ロックフィッシュゲームに適しているラインはフロロカーボンかPEライン


※出典:ユニチカ

まず、ナイロンラインは価格が安く扱いやすさは魅力的なのですが、その他にメリットはないため、除外します。

残るは、フロロカーボンラインとPEラインですが、このどちらも一長一短あり、たくさんおられるロックフィッシャーマンの間で議論されている問題です。

では、どちらがロックフィッシュゲームをする上で本当に適したラインなのか?

結論から言ってしまうと、どちらのラインも同じぐらい適しており、ロックフィッシュをかけるまでにメリットがあるのはPEラインで、かけた後にメリットがあるのはフロロカーボンラインです。

根ズレの問題が全ての物語の中心

上記でそれぞれのラインのメリット・デメリットを簡単に書き出しましたが、話の中心になっているのは、根ズレの問題です。

シーバス・エギング・ジギングなどで根ズレの問題が起こる度合を1とすれば、ロックフィッシュゲームでは10ぐらいだと思います。

もちろん、ロックフィッシュ以外の魚をかけて、根ズレによりラインブレイクすることもありますが、ロックフィッシュほどではありません。

ロックフィッシュは名前の通り、『ロック=岩』に潜む魚なので、他の魚よりも高確率で根ズレが起こります。

PEラインの最大の弱点は根ズレだがそれを覆すほどのメリットがある

ロックフィッシュゲームで高確率で起こる最大の問題が根ズレなのに、なぜ根ズレに弱いPEラインを使用する人がいるのか?

それは、感度・遠投性・操作性に優れているメリットがあるからなのです。

個人差はあると思いますが、PEラインを長い間使用していて、たまにフロロカーボンラインを使用すると、物凄い違和感があります。

極端な話、キャストした時は方向が定まらず投げにくく、ワームをアクションさせた時はまるでゴムのようにラインが伸びるような感覚で、シンカーが岩に当たった時やスリットに入った時などに、PEラインだと明確に感知できたのに、ん?という感覚になります。

逆に、フロロカーボンラインを使用したあと、PEラインに替えると、PEラインの優れた感度・遠投性・操作性を物凄く感じます。

ここで注意しないといけないのが、フロロカーボンラインが悪いのではなく、PEラインが優れているだけなので、しばらくすれば慣れてきます。

また、PEラインは、フリーフォール時やリフト後などで完全にラインをたるませた状態だと、フロロカーボンよりも感度が悪くなるので、常にある程度はラインを張っている状態にすることも大事です。

フロロカーボンラインは根ズレに強くデメリットがほとんどない

一方、フロロカーボンラインは、PEラインより遥かに根ズレに強いという最大のメリットがあり、さらにライン自体に比重があるため水に沈みやすい性質もあり、ボトムを探る・狙う釣り=ロックフィッシュに適しています。

感度・遠投性・操作性などに関しては、PEラインほどのメリットはありませんが、デメリットというほど悪くはないので、根ズレに強いメリットの他は平均的で、オールマイティーにこなせるラインであると言えます。

また、感度に関してですが、PEラインほど感度は良くないものの、ラインを多少たるませた程度でも感度が落ちにくいという面もあります。

ロックフィッシュをかける(ヒットする)までがPEライン かけた後はフロロカーボンに軍配

あくまでも個人的な見解なのですが、双方のメリット・デメリットや特性を考えると、感度・遠投性・操作性に優れているPEラインは、よりロックフィッシュのいるポイントへルアーを運ぶことができヒットさせる確率も上がると考えられます。

一方フロロカーボンラインは、ロックフィッシュをかけた(ヒットさせた)後、根ズレに強いという最大のメリットを生かすことができるので、ラインブレイクしにくく、キャッチ率が上がると考えられます。

ロックフィッシュをヒットさせないと釣り上げることはできませんし、ヒットさせてラインブレイクしてしまっても釣り上げることはできません。

この双方の見方が、PEライン派とフロロカーボン派に別れている要因ではないかと思います。

釣行するポイントの地形や潮の流れる速さで使い分けるべき

PEラインとフロロカーボンラインのどちらも同じぐらい適性があるとすると、最終的にどこで使い分けるボーダーを引けばいいのか?

それは、普段自分が釣行するポイントの地形や潮の流れる速さによって、使い分けるべきだと私は考えます。

日本海側・太平洋側、漁港・堤防、地磯・沖磯など、人それぞれ様々な場面で釣行しており、みんながみんな全く同じ条件ではないので、最適なラインも変わってきます。

また、スピニングタックルの場合は、PEライン一択と考えています。

地形の起伏が激しい・潮の流れが速い・遠投が必要ないポイントではフロロカーボンライン

地形の変化が激しく、手前に急激なカケ上がりあったり水深1mぐらいから急に10mまで落ち込むような岩場や、潮の流れが速くラインが流されてしまったりするポイントでは、根ズレが起きる確率がとても高いので、フロロカーボンラインを使用するべきだと思います。

さらに、このようなポイントには大物が潜んでいる確率も高く、より根ズレする可能性も高くなります。

頑なに「PEラインは論外だ」と言っている方は、このようなポイントで大物を狙う上級者の方が多いと思います。

運悪く、大きな岩の根元付近でヒットしたら、ルアーの結び目からかなり離れたところでもラインを擦られてしまうことがあり、ここでPEラインを使用していたら高確率でスパッと切れてしまいます。

また、短いロッドでテトラの際や手前側のポイントを狙うだけの場合や穴釣りなどは、遠投する必要がないので、フロロカーボンのメリットを生かしやすいです。

根ズレに対処できるほどの太いフロロカーボンラインを使用するにはベイトタックルが必要

ここまで、リールの種類やラインの太さについてはあまり触れてきませんでしたが、フロロカーボンラインのデメリットの一つが、根ズレに対処できるほどの太い20lbクラスのフロロカーボンラインを使用するには、深溝のベイトリールが必要(スピニングタックルが使用しにくい)だということです。

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デメリットと言ってしまうと語弊がありますが(ベイトタックルのメリットもたくさんある)、スピニングタックルでロックフィッシュを狙いたいという方にとってはデメリットとなります。

これも踏まえた上で、さらにPEラインの方が遠投性に優れているのです。

地形の起伏があまりない・潮の流れが緩やか・遠投が必須・水深が深いポイントではPEライン

漁港や堤防、ゴロタ浜、人口埋立地のポイント(都会に多い)などは、地形の起伏がそれほどなく、根ズレの起きる可能性が低くく、長めのリーダーを組めば対処できるので、PEラインのメリットが最大限に生かせます。

また、潮の流れが緩やかでそれほど地形の起伏が激しくない磯などでも根ズレの心配がやや低いので、長めのリーダーを組んだPEラインを使用した方が、利点が多くあります。

そして、PEラインのメリットである遠投性の高さを最も生かせるのが、人の多いポイントやかなり沖に根がある&ディーエリア(深場)がある場合などです。

人が多いポイントは遠投し竿抜けエリアまでルアーを飛ばさなくてはいけない

漁港や堤防、人口埋立地のポイント、人気のポイントなどは、休日ともなればロックフィッシュ狙いの方だけでなく、他の釣り人もたくさんいます。

そのような場所で、手前側(軽く届く範囲)のポイントや目に見えるストラクチャーなどを狙っても、すでにその人たちに釣られてしまっている場合や、叩かれてスレてしまっている場合が多く、もっと沖の竿抜けエリアまでルアーを飛ばさなくてはいけないことが多くあります。

竿抜けエリアとは他の人が狙っていない沖のポイントなどを言います。

沖に岩場や大物が潜んでいるディープエリアがある場合もPEラインを使用した遠投が必要

人が多いポイント以外にも、沖まで遠投しないと岩場がないポイントや、沖にディープエリアがある場合なども遠投が必要になります。

また、100mほど遠投した時や20mクラスのディープエリアなどは、ルアーとロッドまでの距離がとても長く(遠く)なるので、自ずと感度も鈍くなります。

そのような場合にも、PEラインのメリットである高感度が生かされます。

私はPEラインをメインに使用し磯で地形の起伏が激しいポイントのみフロロカーボンラインを使用している

結局のところ、どっちがロックフィッシュゲームに相応しいラインなんだ?と聞こえてきそうですが、私の場合は、PEライン9:フロロカーボン1ぐらいの割合で使用しています。

ここまでの話を全て考慮した上で、メインラインはPEラインを選んでいます。

その理由は3つです

  1. メインフィールドは京都府の日本海側で潮の流れが穏やか
  2. パワーのあるロッドとリール(ベイトタックル)で根ズレに対処
  3. コーティングされたPEラインを使用している

もちろん、起伏が非常に激しい地磯などで釣行する際はフロロカーボンラインを使用しますが、どちらか一つしか選べないとすれば、PEラインを選択します。

私はベイトリールのスプールを2つ用意し、メインはPEラインを使用していますが、常にフロロカーボンラインを巻いたスプールを持ち歩いています。

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根ズレでラインブレイクしてしまったらスゴく後悔すると思いますが、PEラインのメリットは本当に魅力的ですし、ロックフィッシュをヒットさせた後のスリリングな駆け引きもロックフィッシュゲームの一つとして楽しんでいます。

PEラインのデメリット根ズレの弱さを極力抑えるにはコーティングされたPEラインを使用しリーダーを長くすること

私は、根ズレに弱いPEラインをロックフィッシュゲームに使用していますが、シーバスやエギングと同じような使い方をせず、ある程度は根ズレの問題を極力抑えるために少し工夫をしています。

まず一つは、根ズレに強いタイプのPEラインを使用すること。

最近では、フロロカーボンや特殊な素材をコーティング&編み込んだ、根ズレに強いPEラインが発売されています。

とは言っても、フロロカーボンラインより根ズレに強いのかとなると、そこまでの耐久性はありませんので、二つめにリーダーを2ヒロから3ヒロとかなり長めにしています。

そうすることで、PEラインの弱点である根ズレを極力抑えるようにしています。

また、さらに根ズレに強いPEラインも徐々に開発されていますので、今後の新製品にも期待したいと思います。

まとめ

  • 市販されている代表的な3種類のラインはナイロン・フロロカーボン・PEライン
    ナイロンラインはしなやかで伸びやすく誰にでも扱える安いラインだがロックフィッシュにはあまり向かない
    フロロカーボンラインは水に沈みやすく根ズレに強いのでボトムの釣り=ロックフィッシュに適している
    PEラインは引っ張りに耐える強度がとても強く感度も抜群だが水に沈みにくい上に根ズレにとても弱い
  • ロックフィッシュゲームに適しているラインはフロロカーボンかPEライン
    根ズレの問題が全ての物語の中心
    PEラインの最大の弱点は根ズレだがそれを覆すほどのメリットがある
    フロロカーボンラインは根ズレに強くデメリットがほとんどない
    ロックフィッシュをかける(ヒットする)までがPEライン かけた後はフロロカーボンに軍配
  • 釣行するポイントの地形や潮の流れる速さで使い分けるべき
    地形の起伏が激しい・潮の流れが速い・遠投が必要ないポイントではフロロカーボンライン
    根ズレに対処できるほどの太いフロロカーボンラインを使用するにはベイトタックルが必要
    地形の起伏があまりない・潮の流れが緩やか・遠投が必須・水深が深いポイントではPEライン
    人が多いポイントは遠投し竿抜けエリアまでルアーを飛ばさなくてはいけない
    沖に岩場や大物が潜んでいるディープエリアがある場合もPEラインを使用した遠投が必要
  • 私はPEラインをメインに使用し磯で地形の起伏が激しいポイントのみフロロカーボンラインを使用している
    PEラインのデメリット根ズレの弱さを極力抑えるにはコーティングされたPEラインを使用しリーダーを長くすること

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