海釣りを代表するルアーといえば、青物を中心に様々な魚種に対応するメタルジグ、シーバスゲームなどで多用されるミノーやバイブレーションなどのプラグ、イカを釣るため(エギング)に使用されるエギ、などのハードルアーです。
その一方、ロックフィッシュゲームで使用されるルアーのほとんどがワームなどのソフトルアーになります。
※ハードルアーを使うこともありますが。
ワームでの釣りとなりますが、バスフィッシングのように、ワーム単体(ノーシンカー)で使用することはほぼなく、10g〜28g、さらにはもっとハイウェイトのシンカー(オモリ)を使用し、ボトム(底)をとる釣りになり、岩場や藻場、テトラポットや堤防の敷石などを攻めるロックフィッシュゲームでは、常に根掛りとの戦いになります。
ロックフィッシュゲームでは、どのようなシンカー(オモリ)を使うのが最適か、素材はどんなものがあり、どのようなメリット・デメリットがあるのかを見ていきたいと思います。
鉛のシンカーは加工しやすい素材かつ安い値段で入手できる
釣りに使われるシンカー(オモリ)といえば、鉛で作られている物が一般的です。
淡水では渓流釣りやフナ・コイ釣り、海釣りでは投げ釣り、沖釣りなどのエサ釣りで使用されるシンカー(オモリ)のほとんどが鉛製です。
ルアー釣りでも多く使用され、ジグヘッドやメタルジグ、インチクやタイラバなどもその多くが鉛で作られています。
鉛という素材は、柔らかく変形させやすいため、様々な形に加工しやすい特徴があり、それぞれの釣り方に応じて、それにあったインチクやメタルジグ、嚙み潰しのガン玉のオモリなど、多くの形に発展させていきました。
また、素材自体が安い値段で取引されているので、店頭に並ぶ鉛製の釣り道具は、他の素材と比べて安く手に入れることができるメリットもあります。
しかし、鉛という素材は、柔らかいことで変形・加工させやすいメリットがありますが、これは、釣り方によっては、デメリットにもなるのです。
その中でも特にデメリットになるのは、岩やテトラ、堤防の敷石など、硬いストラクチャー(障害物)をダイレクトに攻めるロックフィッシングです。
ボトム(底)を探るロックフィッシングではデメリットが多い
ロックフィッシングの基本は、ボトム(底)をとることであり、その釣り方には常に根掛りとの戦いがつきまといます。
根掛りと聞けば、針が岩や敷石に刺さって取れなくなる、というイメージが強いと思いますが、ボトム(底)をとる釣りでの根掛りは、そのほとんどが、ストラクチャー(障害物)にシンカーが挟まることで起こります。
密集して生えている藻に針が刺さって根掛ることもありますが、ある程度太いラインを使用するロックフィッシング(ライトロックは除く)では、無理矢理にでも引っこ抜いてやれば、取れる場合が多く、よほど多くの藻が絡まなければラインが切れることはありません。
しかし、岩やテトラに挟まってしまっては、どうすることもできません。
その時に、鉛製のシンカーを使用していると、根掛りを外そうとした時にシンカーが変形し、外そうとすればするほど、根掛りしたストラクチャーにシンカーが深く食い込んでいくのです。
また、硬い石や堤防にシンカーがぶつかったり、挟まった根掛りが運よく外れたりすると、高確率でシンカーの形状が変形し、この時に、ラインの通り道が潰れてしまうと、そのシンカーが使えなくなります。
さらに、鉛には有害物質が含まれており、根掛りしたり捨てたりすると、海の中に残された鉛製のオモリが、水中の物質との反応で成分が溶け出すので、環境被害になることも指摘されています。
ブラス(真鍮)製のシンカーはロックフィッシュに適しており強度もありコストパフォーマンスが高い
ブラス(真鍮)とは、トランペットやサックスなどの金管楽器に使用されている金属素材です。
この素材は、鉛よりも硬く強度もあり、鉛よりも軽いという特徴があります。
ブラス製シンカーは、多少デメリットがあるものの、ロックフィッシングではよく使用されるシンカーで、価格帯も鉛ほどではありませんが、安い値段で手に入るかつ、鉛よりもデメリットが少ないため、コストパフォーマンスの高い素材のシンカーです。
メリットはフォールスピードの調整と感度 デメリットは空気抵抗と腐食
ブラス製シンカーは鉛よりも軽いため、体積が大きくなり、キャスティングの際の空気抵抗とフォールの際の水中抵抗も大きくなります。
これにはメリット・デメリット両面があり、体積が大きくなる分ロングキャストには向きませんが、フォールでの食わせに有効に働く場面があります。
キジハタ(アコウ)やソイなど、フォーリングの滞空時間を長くとるのが有効な魚種(状況による)など、フォールスピードを落としたいが、潮の流れや風が強くてシンカーを軽くできない場面には、特にオススメしたい素材です。
また、強度も強いため感度もよく、ボトム(底)に接触した際の情報を捉えやすくなります。
何年か前までは、ブラス製シンカーのラインナップはとても少なく、ロックフィッシュに適したタイプはあまりなかったのですが、近年は、様々な形や重さのバリエーションが増え、バレット型だけでなく直リグ用やボール型のタイプなど、中にはロックフィッシュ用に改良されたシンカーなども販売されるようになりました。
全国磯ロック行脚!”ハンター塩津”氏監修による、ハードロックテキサスシンカー。
最大の特徴はパイプ入りで、ラインを痛めにくく、滑りがスムーズ。
ブラス(真鍮)製により、硬度が高く変形しにくく、、ビーズとの組合せによる音のアピール、またゴールドカラーによる視覚へのアピールなど、抜け目のない仕上がりで確実にロックフィッシュを”逮捕”できるシンカーです。
18金メッキを使用しているので安価なメッキ加工にまねできない、光沢が特徴的な仕上がり!!ロックフィッシュにはもちろん、パンチングやヘビキャロにもオススメです。
ブラス(真鍮)は、キャスティングに影響するデメリットもありますが、他に腐食しやすいというデメリットがあり、釣行後にシンカーに着いた塩分を真水で洗い流さないと、表面の傷からサビが発生し、どんどん進行していってしまうので、メンテナンスが少し大変という手間があります。
タングステン素材はロックフィッシュに最もオススメできるシンカー(オモリ)
※出典:engine Studio100
上記で説明した鉛製シンカーやブラス(真鍮)製と比べると、強度・感度・比重全て、タングステン素材のシンカーが一番上位です。
少々の衝撃や負荷では削れたり変形しない強度、それに伴なう感度の良さがあります。
比重も、どの素材よりも大きいので、同じ重さであれば体積が最も小さくなり、キャスティング時の空気抵抗が少ない分、飛距離が伸び、水中での抵抗が少ない分、潮の流れの影響を受けにくくなります。
ロックフィッシュにおいて最大の難関である根掛りの回避能力に最も優れている
ロックフィッシングは、ボトム(底)をとる釣りである=根掛りとの戦い。であることは、ロックフィッシュを釣る上での宿命とも言えます。
しかし、根掛りする場所だからこそロックフィッシュが潜んでいるとも言えるのです。
タングステンほどの硬い素材であれば、海中にある岩や敷石に挟まった際に、多少引っ張ったとしても変形して食い込むことはなく、感度も抜群ですので、ボトム感知能力に優れている分、根掛りしそうだな。といち早く察知することもできます。
根掛りをいち早く察知できると、ひどくなる前にロッドを軽くあおったり、違う方向からラインを引っ張ったりすることで、硬いもの同士が反発し合い、シンカーを弾くことができるため、根掛りを回避しやすくなります。
しかし、タングステンシンカーを使用すれば根掛りは絶対しない訳ではなく、ロックフィッシュを狙っている以上避けては通れない道です。
あくまでも、根掛りしにくいという意味です。
タングステンシンカー最大のデメリットは鉛や真鍮と比べコスト(値段)が非常に高くなること
これだけ優秀なタングステンシンカーですが、その分コスト(値段)が非常に高くなります。
現在、釣りで使用されているシンカー(オモリ)の中で間違いなく最高峰であり、最高級の素材なので、それだけ価格も高くなり、一番安価な鉛製のシンカーと比べると、約2倍以上の価格差があります。
そして、重ければ重いほど価格も高くなります。
- 1/2oz(14g)鉛:1個あたり約130円
- 1/2oz(14g)タングステン:1個あたり約350円
潮の流れが早く水深も20mを超えるような場所だと、1oz(28g)のタングステン製シンカーを多用する場面も多くなり、安くても1個あたり600円ぐらいなので、数十個ロストしてしまえば、リールやロッドが買えてしまう値段になってしまいます。
スタジオ100(ワンハンドレッド)はコストパフォーマンスの高いタングステンシンカー
タングステンシンカーは非常に高価で、しかもロックフィッシュに最適なヘビーウェイトのラインナップは意外と少なく、小規模の釣具店では、売られていない場合もあります。
そこで、オススメしたいタングステンシンカーが、スタジオ100(ワンハンドレッド)のシンカーです。
主に、バス釣り用のロッドやルアーを販売している会社ですが、そのラインナップの中にあるシンカーは、1/16oz〜2ozまで用意されており、ロックフィッシュで多用する重さのタングステンシンカーがAmazonで購入できます。
しかも、メーカーから直接売られていると思われるため、価格も非常に安く、プライム会員なら1パックから送料無料で配送できます。
バレットタイプだけでなく、ラウンド型もあります。
タングステン素材は大きく分けると2種類存在し硬さや価格が大きく違う場合がある
釣具屋やネットショップでタングステンシンカーのパッケージを見てみると、タングステン合金素材と書かれている物とタングステン樹脂素材と書かれている物があります。
タングステン合金素材とは、ここまで説明してきたタングステンシンカーで、最も種類が多く、最も値段が高い素材です。
一方、タングステン樹脂素材とは、タングステンの粉末を他の物質と混ぜて形を整えた物質で、全ての商品がそうとは限りませんが、タングステン合金と比べると、柔らかかったり、割れやすかったり、比重が軽かったり、感度が悪かったりする素材です。
その分、値段を安くすることができ、タングステンでありながら安価に手に入れることができます。
中には、タングステン合金素材と性能は変わらない商品もあるとは思いますが、無難に購入するのなら、タングステン合金素材で作られているシンカーをオススメします。
まとめ
- 鉛のシンカーは加工しやすい素材かつ安い値段で入手できる
ボトム(底)を探るロックフィッシングではデメリットが多い - ブラス(真鍮)製のシンカーはロックフィッシュに適しており強度もありコストパフォーマンスが高い
メリットはフォールスピードの調整と感度 デメリットは空気抵抗と腐食 - タングステン素材はロックフィッシュに最もオススメできるシンカー(オモリ)
ロックフィッシュにおいて最大の難関である根掛りの回避能力に最も優れている
タングステンシンカー最大のデメリットは鉛や真鍮と比べコスト(値段)が非常に高くなること
スタジオ100(ワンハンドレッド)はコストパフォーマンスの高いタングステンシンカー
タングステン素材は大きく分けると2種類存在し硬さや価格が大きく違う場合がある
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