カサゴは、日本海側、太平洋側ともに、日本各地で生息するロックフィッシュで、暖流系の魚なので主に関東以南に数多く生息しています。
関西ではガシラ、九州ではアラカブと呼ばれ、ファミリーフィッシングや釣り初心者の方でも気軽に楽しめる、最小クラスのロックフィッシュです。
最大30cmクラスまで成長する最もポピュラーなロックフィッシュ
カサゴは、私が住む関西地区(特に神戸・大阪)では最も目にする機会が多いロックフィッシュで、子供連れのファミリーフィッシングや釣り始めたばかりの初心者の方でも、手軽に楽しめる魚としてとても有名です。
名前の由来は、エラを張った姿が傘を広げた様子に似ていることから『傘子(カサゴ)』と呼ばれるようになったのです。
また、関西では、頭が大きいことから「頭(ガシラ)」と呼ばれます。
瀬戸内海地方では、その赤茶系の体色からアカメバルと呼ぶ地域もあり、メバルと間違いやすいのですが、当地ではカサゴのことです。
見た目はユーモラスながら、貪欲な食性とそのパワーからロックフィッシュの代表的ターゲットとして、釣りを始めたばかりの人やベテランまで、子供も大人も気軽に楽しめる人気が高いのがカサゴなのです。
年間を通してどの時期でも狙えるロックフィッシュ
適水温は20度前後で、5月〜10月頃までが数釣りを楽しめる時期ですが、比較的簡単に1年間通してよく釣れます。
ワームなどのルアー釣りでも手軽に楽しめますし、エサ釣りでも人気の高い魚種です。
さらにカサゴの人気が高い理由としては、海のルアー釣りにおいて、ターゲットが最も少なくなる厳寒期に狙って釣れることで、シーバスやチヌなどの活性が低い時でもカサゴだけが釣れたなんていう話もよく耳にします。
大型サイズを狙うのなら初冬〜初春の産卵シーズン
カサゴの産卵シーズンは初冬から初春で、11月〜3月頃の寒い時期になると、大型の個体が産卵のために深場から接岸してきます。
夏や秋の時期に釣れる個体は、15cm〜20cmほどの小さいサイズが多いのですが、この産卵シーズンになると、数こそ釣れにくいのですが、30cmクラスの最大サイズがショア(岸)からでも釣れやすくなります。
この時期は、メバルもハイシーズンになるため、カサゴとメバルの大型サイズを専門に狙うのが楽しい季節です。
また、カサゴは卵をお腹の中で稚魚になってから産む、卵胎生と呼ばれる生態でもあります。
行動範囲が狭く基本的にはボトム(底)のストラクチャーに隠れている
定住性が高いカサゴは行動範囲が狭く、泳ぎ回って餌を探しているわけではなく、日中は特にボトム(底)のストラクチャーに隠れています。
夜になると比較的行動範囲が広くなりますが、それでも何キロも移動するということは少なく、テトラポットの奥や岩陰、海草の影などを住処にしている個体が多いです。
また、水温が高い時期は潮通しのよいエリアで過ごす個体が多くなり、生息範囲は、磯場は藻場、岩近くの岩礁帯など、ストラクチャーがあればどこでも姿を見ることができます。
ある程度大きく成長すると外洋に出て行く個体も現れる
定住性が高いカサゴですが、体長が15cmほどにまで成長すると、より大きなエサを求めて外洋に出て行く個体も現れます。
ずっと、岸から近いところにいる場合もありますが、外洋に出て行った個体は大型に成長するため、船釣りでヒットするカサゴはサイズが大きいことがよくあります。
このような個体が、産卵のために接岸するため、初冬〜初春の産卵シーズンは大型が釣れるわけです。
主に捕食しているのはエビやカニなどの甲殻類
行動範囲が狭いカサゴは、住処の周辺に来たエビやカニなどの甲殻類を最も多く捕食しています。
もちろんベイトフィッシュ(小魚)も捕食していますが、7割〜8割ぐらいは甲殻類を捕食しており、普段から水面付近まで上がってくることはほとんどありません。
狙うのであれば、ルアーをあまり浮かせず、底付近をクロー系のワームなどで、ゆっくりと重点的に攻めれば高確率で釣り上げることができます。
大型の個体になれば小魚をメインに捕食するようになる
岸から狙える個体は甲殻類をメインに捕食することが多いのですが、沖合いにいるような大型のサイズに限っては、小魚をメインに捕食する傾向にあります。
主に、イカナゴやイワシやアジなどを捕食するため、船釣りの場合はメタルジグなどでヒットすることが多いのです。
定住性や縄張り意識が強いので群では行動しない
比較的小型魚のカサゴですが、アジやイワシのように群で行動することはなく、定住性も高いと同時に縄張り意識も強い魚なのです。
特に大型のサイズほどその意識が高く、小型サイズが多いところには大型サイズは少なく、逆に大型サイズがいるところには小型サイズが少ない特徴があります。
大型サイズは目に見えない竿抜けポイントで釣れることが多い
カサゴを釣る場合、同じ場所(ポイント)で何匹も連続して釣れることが少なく、一度釣ったポイントはしばらく時間を置かないと新しい個体が入りにくいことも多いのです。
また、大型サイズほど一級のポイント(エサなどが多い)に入りやすいのですが、一度釣られたりしてしまうと、次に入る個体は小さいサイズが多かったりします。
目に見えるポイントやショア(岸)から近いポイントなどは、他の釣り人(エサ釣りをしている人など)に狙われている可能性が高く、全く釣れないわけではありませんが、釣り人が多いポイントほど数サイズ共に期待できない場合があります。
逆に、釣り人が少ないポイントや沖のディープ(深場)にある岩場などを狙うと、数サイズ共に期待できる場所なのです。
刺身・唐揚げ・煮付け・味噌汁など色んな料理で美味しく楽しめるカサゴ
季節問わず比較的簡単に釣れ、釣りのターゲットとしても人気の高いカサゴですが、料理(食べること)に関しても人気の高い一面があります。
釣りたての新鮮なものだと刺身でも美味しく食べれますし、塩焼きはもちろん、唐揚げ・煮付けなどでも美味しく食べられます。
また、味噌汁や鍋などに入れてもいい出汁が取れ、捌いた時に残ったアラ(頭や骨やヒレ)も捨てるところがないほど優秀な魚です。
産卵と重なる冬のカサゴは脂の乗った旬を迎える
大型サイズが釣りやすい初冬〜初春の季節は、産卵のために積極的に捕食しますので、味も脂の乗った美味しい季節になります。
もちろんそれ以外の季節でも美味しくいただけますが、特にこの時期のカサゴはサイズも大きく食べごろなのです。
一点だけ注意しなければいけないのは、抱卵したメスはサイズが大きくても卵に栄養分がいっているため味はあまり美味しくありません。
また、ロックフィッシュ全体にも言えることですが、カサゴも成長速度が非常に遅く、20cmになるまで4年ほどかかるとも言われています。
そのことも合わせて、抱卵しているメスは極力リリースを心がけましょう。
まとめ
- 最大30cmクラスまで成長する最もポピュラーなロックフィッシュ
年間を通してどの時期でも狙えるロックフィッシュ
大型サイズを狙うのなら初冬〜初春の産卵シーズン - 行動範囲が狭く基本的にはボトム(底)のストラクチャーに隠れている
ある程度大きく成長すると外洋に出て行く個体も現れる
主に捕食しているのはエビやカニなどの甲殻類
大型の個体になれば小魚をメインに捕食するようになる
定住性や縄張り意識が強いので群では行動しない
大型サイズは目に見えない竿抜けポイントで釣れることが多い - 刺身・唐揚げ・煮付け・味噌汁など色んな料理で美味しく楽しめるカサゴ
産卵と重なる冬のカサゴは脂の乗った旬を迎える
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